教育基本法改正背後に潜むもの 立花隆氏に聞く(2006年11月10日
東京新聞WEBページより一部転載)
安倍政権が教育再生にかける執念はすさまじい。その中核となる、「愛国心」や「公共の精神」を盛り込んだ教育基本法改正案は、「最優先」の掛け声とともに、早ければ来週にも衆院で可決されそうな勢いだ。これほどまでに急ぐ理由はなんだろうか。何か企てがあるのではないか。作家で評論家の知の巨人、立花隆氏に意見を聞いた。 (聞き手・橋本誠)
――安倍政権が教育基本法改正案可決を急ぐ真意は。
安倍首相は、日本の戦後レジーム(体制)を変えたいのだろう。根本は憲法を改正したい。戦後世代は皆、改憲を望んでいるかのように(彼は)いうが、実のところはそうではない。ただし彼は違う。岸信介(元首相)の孫だからね。岸氏は安保条約改定で、特別委で議論打ち切りの動議を出し、衆院本会議もあっという間に通した。警官を動員し、一度にやってしまった。自宅をデモ隊に囲まれた中で、祖父がいかに毅然(きぜん)としていたか、安倍首相は記憶している。安保はその後も役立っており、北朝鮮問題でも米国が日本を守っているとか、そういう発想しかない。
――教育基本法の改正は憲法改正のためなのか。
大日本帝国憲法時代は、国体を根付かせるために教育勅語という当時の教育基本法を作った。親孝行をしろとか、天皇に忠義を尽くせとか、命令を並べていた。天皇のために命をささげる国家になったのは、国民にそういう教育を幼少から繰り返したたき込んだからだ。
戦後新憲法ができたが、国民のマインドが一挙に変わるわけはない。制度を根付かせるために教育の力が必要と、新憲法とペアをなす形で作った法律が教育基本法だ。世界の普遍的な価値の下に憲法を作り、日本全体にしみ通らせるのが目的だった。前文で日本国憲法に触れ、「この理想の実現は、根本において教育の力にまつべきものである」とした。
憲法改正に必要な三分の二の議席を衆参両院で得るには、憲法を正しいとする教育基本法を変えなくてはならない。「将を射んと欲すれば、まず馬から」という発想であり、憲法改正の地ならしだ。教育基本法の改正もまた、自民党の悲願だった。
しかし、教育基本法に書かれている普遍的価値とは、フランス革命などの歴史の積み重ねから、国家より上にある価値として人類が築いたものだ。憲法と並ぶような重要な法律なのに、中身のちゃんとした議論もされていない。長くて五年、短くて数カ月の時の政治政権が簡単に変えるようなものであってはならない。
――政府案の感想は
びっくりしたのは格調が低いこと。全然ありがたくない。役人が書いたつまらない文章だ。教育基本法をただちに変える必要は全くないと思うが、変えるとしても、まだ民主党案のほうがいい。
――政府案には「伝統」や「公共の精神」など道徳的な言葉が出てくる
当然のこと。いちいち法律で決めて、下の下まで、教科書をこう変えなくてはいけないとか、上からの命令で、下の方の具体的な教育行為の手足を縛るやり方は戦前の教育だ。
かつて岸氏らは教育の世界のシステムの空気を変えようとした。最初にやったのが僕が高校生のころに始まった教師の勤務評定。校長が先生の評点を付け、上の命令で下を支配する構造に変えていった。
今、教育の問題がたくさん起きている。履修漏れの原因は、ゆとり教育が非常に悪い形で始まった八九年の学習指導要領改定にある。今は世界史を全く習わず、ナポレオンも知らない連中が出てきている。
――そういう問題は本来はどうやって変えていくべきなのか。
教育基本法を作ったときの文部大臣の田中耕太郎氏は「教育が国家に奉仕することが目的とされ、共産主義の国もファシズムの国も教育が国家の奴隷になっている」と戦前の教育を語った。世界人権宣言には「教育は、人格の完全な発展と、人権、基本的自由の尊重強化を目標としなければならない」と、教育基本法と同じことが書いてある。
教育勅語のように国定の徳目を列挙し、子供にそれが最高善とたたき込む考えは国家の越権行為だ。教育は世界人類が人類共通価値を次の世代に伝える行為全体を言うのであって、国家以上に長い生命を持つものだ。ヒューマニズムを基本としなければならない。
――改正案には「わが国と郷土を愛する」が盛り込まれている。
理念にとどまる限りは目くじらを立てるものでもない。ただ、日の丸掲揚で起立しないとどうするなどと、具体的な教育内容を押しつけていくことが悪い。文部科学省がすべてを支配する体制にしたいということだろう。
隠された争点は、個人が上位にあるのはけしからんということ。公共心とは、国が決めたことを守れということだ。将来徴兵制ができて、また戦争に行きなさいとなったとき、米国のような良心的忌避の権利が認められるだろうか。日本人のマインドには、何もかもお上が決めたら従えという全体主義の傾向がある。
――政府は「いじめ」「必修漏れ問題」などを「今の教育は崩壊している」と教育基本法の改正に結びつけているように見えるが
それは明らか。教育の問題のすべてが教育基本法が悪い、という空気を醸成しているのが見え見え。しかし教育基本法を変えれば、全部良くなるわけではないし、そうしていけない。教育基本法をそういうふうに使い、例えば「国を愛する心」に、点数を付けてどうのこうのという話になってしまう。
――来週にも採決と言われている。
それが問題だ。なぜ、そんなにあっという間に決めるのか。昨年の総選挙で自民党が圧倒的な議席を得て、今ならかねて懸案の法律があっという間に通るからという理由でしかない。米国のアイゼンハワー大統領が来るまでに安保条約を通そうとスケジュールを組んだ岸氏と同じだ。この後の政治展開はますます心配。安倍首相はますます祖父に近づいていくのではないか。
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あぁ…↓ 時間がなくて…手抜きエントリーになってしまいました…(T^T)シクシク
もう何か…国会で伊吹文科大臣や安倍総理の発言を聞くたびに吐き気をもよおしてしまいます。
そもそも日本の教育が歪んできた原因は、文科省を頂点とする中央集権的管理システムにあります。それをさらに強化(教化)し、国民を愛国マシーンに洗脳しようとする教育基本法の改悪は許せません。
ホント…保健室で生徒と話をしている方がよっぽど精神的に良いですね…
あぁ…↓ また伊吹文科大臣が意味不明なことを喚いています
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関係者をまとめて処分 「やらせ質問」で文科相(2006年11月10日
東京新聞WEBページより転載)
伊吹文明文部科学相は10日午前の衆院教育基本法特別委員会で、「教育改革タウンミーティング」で政府が「やらせ質問」を依頼した問題での関係者の処分について「(質問依頼した)担当者だけがいけないという幕引きは感心しない。最後まで調べて私が判断する」と述べ、省内の調査を終えた後、まとめて行う考えを示した。
文科相は「関係者の判断に誤りがあったとなれば、現場だけの責任だったのか、どこまで了解を取っていたのか調べる」と述べた。
塩崎恭久官房長官は今後のタウンミーティングの在り方について「新しい、不信感を招かないタウンミーティングをしっかり築き、再構築して安倍内閣でできるだけ早く再開したい」と述べた。
塩崎長官は教育改革タウンミーティングを除く166回での「やらせ質問」に関する調査の終了時期について「できるだけ早く報告できるようにする」と述べるにとどめた。
内閣府の山本信一郎官房長は、問題が発覚した青森県八戸市以外の7回の教育改革タウンミーティングの1回当たりの平均開催費用は約961万円であることを明らかにした。
民主党の松本大輔氏への答弁。
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>「(質問依頼した)担当者だけがいけないという幕引きは感心しない。最後まで調べて私が判断する」
( ̄。 ̄)ホーーォ。
でも…伊吹文科大臣、自分の職責を超える人は処分できないでしょ?
タウンミーティングは政府主催ですよ。
その最終責任者は、誰が何と言おうと内閣総理大臣です。
当時の最高責任者だった小泉純一郎元内閣総理大臣と当時の現場責任者だった安倍晋三元官房長官(現内閣総理大臣)の責任は棚上げですか?「やらせ」で吸い上げた教育基本法改正に賛成する「民意」に正当性があるのですか?
そんなことを考えていたら、今日の国会で、また伊吹さんは「トンデモ発言」をしていました。
「(文科省からの質問依頼は)教育基本法の改正に関する発言がなかったからやった。教育基本法に関する質問もあった方が良い。」
自信満々に語っていました。
ちょっと待ってください。
「タウンミーティングで教育基本法改正に関する発言がなかった」というのは、
「教育基本法は変える必要なし」という「民意」なのではないのですか!!??
この状態で教育基本法の改悪を強行採決なんかしたら、それこそ日本は立派にファシズム国家へ仲間入りです。
日本国憲法と教育基本法の改悪には絶対に反対します!!!!キタ━━━ヽ(ヽ(゚ヽ(゚∀ヽ(゚∀゚ヽ(゚∀゚)ノ゚∀゚)ノ∀゚)ノ゚)ノ)ノ━━━!!!!
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